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2025年5月29日

ユーバーの「Scratchで小・中学校のプログラミング」Vol.08 <九九クイズ>

ユーバープログラミングスクールの中村里香代表による、小学校のプログラミング授業で使ってほしいプログラミング言語Scratch(スクラッチ)の学習動画第8回。
今回は<中級者>向け、Scratchで九九クイズのプログラムです。

変数と繰り返しによる九九のプログラムをクイズにする

今回は、九九クイズのプログラムを紹介します。Scratchの「質問(○)と聞いて待つ」と「答え」を使って九九を楽しく学べるクイズのプログラムを作ります。
前回は一の段から九の段まで、変数と繰り返しを使って九九をセリフでいうプログラムを作りました。これをもとに任意の段を学べるクイズコンテンツに改造していきます。

九九を計算してセリフでいう 一の段
九九の「段」を入れる変数「だん」と、「かける数」を入れる変数「かけるかず」を準備します。セリフのブロックで「式(段×かける数)」と「解」を言わせます。
段を全てセリフでいうには、変数「かけるかず」を1ずつ増やしながら、9回繰り返します。例えば「だん」に「1」が入っているとき、計算式は「1×1」「1×2」…「1×9」と進んでいきます。

「だん」の値を変えることで任意の段をセリフで言わせることができるようになりました。

*スクラッチでは掛け算の演算子「×」は、「*(アスタリスク)」で表します。
*変数とは、数値や計算式、文字列などのデータに名前をつけて保存し再利用するための仕組みです。

質問と答えのブロックでクイズ形式に変える
Scratchの「質問(○)と聞いて待つ」を実行するとステージ(画面)に回答を入力する欄が表示されます。入力した値は「答え」というあらかじめ用意されている変数に代入されます。この「答え」の値と九九を計算した解が等しいかどうかを調べる条件でリアクションを分岐していきます。まずはシンプルに正解なら「せいかい」、不正解なら「ざんねん」とセリフを表示します。


演出を加える
「答え」と解の条件で分岐するリアクション部分に、音を加えて楽しい演出にしていきます。さらに不正解の時には式と解を表示することで学びにつなげていきます。


変数「だん」をステージ(画面)で選択する
プレイヤーが任意の段を選択できるようにステージ上に変数「だん」をスライダー表示し、スライダー範囲を1〜9に設定します。この指定が有効になるように
スクリプトの変数「だん」の指定の削除を忘れずに行なってください。


これで任意の段を順番に学習できる九九クイズの完成です。

今回のプログラムをベースに、「正解数をカウントする」「ランダムな出題にする」など発展させていくことで、より楽しい学びに広げていくことができます。次回はその応用編として、ランダム出題の九九クイズに挑戦してみようと思います。

算数授業での活用

スクラッチは、ゲームづくりだけでなく、子どもたちのアイデア表現や発表、調べ学習にも広く活用できるツールです。
今回紹介した「九九クイズ」のプログラムは、教科学習に直結し、楽しみながら理解を深められるのではないでしょうか。

スクラッチの使い方

変数とは

<筆者プロフィール>
ユーバー株式会社 代表 中村里香
2017年4月、すべての子どもが楽しく学べるプログラミング教育を目指し、ユーバー株式会社を設立。プログラミング教室運営、クラウド型学習サービス「うさプロオンライン」の提供、教材開発、講師育成支援、体験イベントの開催などを行う。環境に左右されない学びの機会を届けるため、教育現場や企業と連携し活動中。

ご質問・お問い合わせ info@yuber.jp 中村宛(ご質問は該当記事のURLを添えてください)

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